30km以上の距離走をせずに、日本記録を更新した設楽選手の体作り

その時代、時代で記録を出した選手のトレーニング方法やフォーム、発言は、メディアに取り上げられ、特に目立つ、興味をひく箇所がクローズアップされます。

走った距離は裏切らない、フルマラソン連戦、(腕を下げた)忍者走り、フォアフットなど様々です。他にも70km走の実施など様々なトレーニング理論が出てきます。そして、私たちはその中から自分に近いものであったり、自分が取り組みやすそうなものを選びがちです。

例えば、スピードトレーニングが苦手なランナーは、走った距離は裏切らないというから、私はゆっくり走り込みだとなりがちですし、年間に多くのマラソン大会に出場しているランナーはこのやり方がベストなんだとなりがちです。自分のスタイルを肯定してくれる論に目を向けて、自分を否定する論は見ないようにします。


今回、設楽選手は30km以上の距離走をしないという話が取り上げられていますが、上記の傾向から考えると、今回の30km以上の距離走を行わないというのは多くのランナーの支持を受ける可能性があります。

30km以上の距離走をせずとありますが、ウォーミングアップやクールダウンを含めると、その日の走行距離は30kmを超えますし、前日までのトレーニングの疲労の中での30km走は、フレッシュな状態での30km走と体に与える刺激も異なってきます。設楽選手を合宿地でお見かけするとこがありますが、当たり前ながらよく走られています。30km以上の距離走を行わないのでしょうが、マラソンを走りきれる体力とスピードをバランス良く強化していることは間違いありません。

HONDAのバイク(びわ湖毎日マラソン)

近年のHONDA陸上競技部は、マラソン成功率が高いと感じます。堀口選手、石川選手、佐野選手、藤原選手、設楽選手と2時間10分を切る選手を数多く輩出しています。

HONDAの全選手が30km以上の距離走を行わないのかというと、そうとは言っていません。HONDAの全選手が実施しないという話は出てきません。個々の状況に合わせたトレーニングを実施していると考えられます。

監督、コーチ陣の就任タイミングを見ると、あるコーチが特にノウハウを持っているのではないかと想像しています。クローズアップ現代の番組の中で、中継が繋がれましたが、20~30秒程度の出演だったのが大変残念であり、もったいないと感じました。

ただ、この僅かな時間の中でも十分に感じられたことは、そのコーチの選手の状態を客観的に感じ取り、トレーニングの調整を行っていることです。自分自身が40km走を何回やるべきだという考え方ではなく、選手の体の状態、スピードとスタミナのバランスを考えられていることが伝わってきました。

マラソントレーニングのノウハウは、非常に明文化が難しいです。
このHONDAコーチの高校時代の指導者もまた素晴らしい方でした。明文化は難しいものの、やはりノウハウは引き継がれて、そして強化されるのだなと、設楽選手の快走を見て実感しました。

メディアに取り上げられた特徴的な話を参考にしつつも流されず、走力を向上していきたいと思います!
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