5000mを14分台で走るためのトレーニング
5000mを14分台で走るためのトレーニングという、主に学生の方々に向けた内容です。具体的にいつ何を行うかまでは、1つの記事で書くことは困難ですが、実現するための方向性です。
陸上競技を学生時代から取り組んでいると、5000mを14分台というのがひとつの目標になることがあります。
今は13分台を目標とするという選手も14分台を出すことを目標とした時期はありますし、今は16分台、17分台だけれども今後14分台を目標とすることになる選手もいます。
□ 距離は同じでも時間は異なる
誰にとっても5000mは5000mですが、5000mを12分台のランナーと、25分台のランナーでは運動時間が異なります。
そのため、全く同じトレーニングの組み立て(設定タイムは異なる)が、それぞれのランナーに共通した最善のトレーニングにはなり得ません。
運動時間が長いのであれば、それに合わせたトレーニングが必要ですし、反対もまた然り。これはマラソンにとっても同じです。体の出来具合も異なりますので、それぞれの競技レベルに合わせてトレーニング内容を調整することが必要です。
□ 14分台を出すならばスピード主体
チームが駅伝を目標としていて、5km以上の距離にも取り組む必要があるのであれば、"チームのため"に距離走に取り組むことになると思います。高校、大学で14分台を目標とする競技レベルになると、駅伝で主要区間を期待されることになり、距離走の割合を高めることになりがちです。
完全に個人競技として、"自分のため"に5000mに取り組むのであれば、スピード主体の組み立てが有効と考えています。
強豪校のトレーニングを参考にすることもあると思います。その強豪校がいわゆる駅伝校であるならば、その辺りも考慮して、読み解く必要があります。
□ スピード主体
スピードというと、ショートインターバルをイメージするかもしれません。
ここでの定義は、5000mのレースペースと同等または速いものをスピードとします。
「5000mの終盤での落ち込みを防ぐために、距離走が良いかな」と考える方もいますが、その落ち込みの原因を紐解くと、解決策は距離走でないことがほとんど全てです。
まずペース配分の修正だけで解決できることがとても多い。大半とも言えます。ペース配分に問題がない場合、終盤の落ち込みを防ぐ方法として、ミドルトレーニングが有効になってきます。(例えば、キロ3分30秒で15km走るよりも、キロ3分で1000mを10本実施した方が良い。)
距離走を否定しているわけではなく、どちらを選ぶかと問われればミドルインターバルを選ぶ、ということです。もし距離走で解決することを狙うのであれば、終盤にペースアップをして、レースペースまたはそれ以上に上げる区間を作ります。
□ ポイントトレーニングの間の日は脚休め
競技を始めてから日が浅いのであれば、ポイントトレーニングの強度を下げて、ポイントトレーニングの間の日に長くジョギングということは有効です。
しかし、あと少しで14分台まで来ているほどの走力であれば、長いジョギングを組み込む意味を見い出すことは難しいです。
ポイントトレーニングの間の日に、長いジョギングを行うと、当然ながら疲れます。その疲労を持ち越してポイントトレーニングを行うと、頑張ったという精神的満足度は得られるかもしれませんが、ポイントトレーニングの質は低下します。
一日でも数時間でも早く、回復を図り、スピード主体のトレーニングを高い質で行いたい。そのため、ジョギングは90分以内に抑えたいところです。
□ 技術を向上させる
記録=心×技術×体力
5000mが15分前半まで来ているのであれば、"体力"の伸び代は当然ながら、20分の選手よりも小さいです。
技術は、レース戦略や調整など幅広いですが、まずはランニングフォームの技術を見直し、向上させるのが良いと考えています。
「良いランニングフォームとは何か?」
「それを実現するには何を行えば良いか?」
良いランニングフォームとは、少ないエネルギーで体を前に運べるフォームです。使った力が前方への推進力に効率的に変換されている状態です。
見た目が良いとか、怪我をしにくいとか、リズムがとりやすいではありません。それぞれ良いに越したことはありませんが、最も重要なことは、前に進むことです。
出来る限り、エネルギーを上方に使いたくありません。上下動を抑えたい。
上下動が大きいということは、上方に体を押し上げることにエネルギーを使っています。そして、上方に押し上げられた体は、重力によって落下してきます。高いところから落下してきた物体を支えるには、それだけ大きな力が必要です。高いところから落下してきた体を着地時にエネルギーを使って受け止める。
上下動が大きいと、上方にもエネルギーを使い、着地時に体を受け止めるときにもエネルギーを使います。
そうならないように、ランニングフォームを改善します。
同一のピッチ、ストライド、スピードでも上下動はひとそれぞれです。そこにランニングフォームの技術の差があります。
(ここで誤った認識が生じやすい。同一のピッチ、ストライド、スピードで比較しなければ意味がありません。)
ここは、練習会で繰り返し行っている腕振りと体の傾きの2つに集約されます。これを行えば、接地時間は"長く"なり、上下動が抑えられるランニングフォームに変わってきます。
(脚のつき方であるフォアやミドル、ヒールによる接地時間の変動ではありません。)
□ ひとつでも良い選択肢を
回復への取り組み、ポイントトレーニングの分析など他にも走力向上のために行うことは多々ありますが、5000m14分台をキーワードに考えると上記は必要です。
理由を考え、ひとつでも良い選択肢を選ぶということを継続していくことが記録の向上に繋がります。私も良い選択肢を選び続けたいと思います。
(参考)トレーニングメニュー実績
陸上競技を学生時代から取り組んでいると、5000mを14分台というのがひとつの目標になることがあります。
今は13分台を目標とするという選手も14分台を出すことを目標とした時期はありますし、今は16分台、17分台だけれども今後14分台を目標とすることになる選手もいます。
□ 距離は同じでも時間は異なる
誰にとっても5000mは5000mですが、5000mを12分台のランナーと、25分台のランナーでは運動時間が異なります。
そのため、全く同じトレーニングの組み立て(設定タイムは異なる)が、それぞれのランナーに共通した最善のトレーニングにはなり得ません。
運動時間が長いのであれば、それに合わせたトレーニングが必要ですし、反対もまた然り。これはマラソンにとっても同じです。体の出来具合も異なりますので、それぞれの競技レベルに合わせてトレーニング内容を調整することが必要です。
□ 14分台を出すならばスピード主体
チームが駅伝を目標としていて、5km以上の距離にも取り組む必要があるのであれば、"チームのため"に距離走に取り組むことになると思います。高校、大学で14分台を目標とする競技レベルになると、駅伝で主要区間を期待されることになり、距離走の割合を高めることになりがちです。
完全に個人競技として、"自分のため"に5000mに取り組むのであれば、スピード主体の組み立てが有効と考えています。
強豪校のトレーニングを参考にすることもあると思います。その強豪校がいわゆる駅伝校であるならば、その辺りも考慮して、読み解く必要があります。
□ スピード主体
スピードというと、ショートインターバルをイメージするかもしれません。
ここでの定義は、5000mのレースペースと同等または速いものをスピードとします。
「5000mの終盤での落ち込みを防ぐために、距離走が良いかな」と考える方もいますが、その落ち込みの原因を紐解くと、解決策は距離走でないことがほとんど全てです。
まずペース配分の修正だけで解決できることがとても多い。大半とも言えます。ペース配分に問題がない場合、終盤の落ち込みを防ぐ方法として、ミドルトレーニングが有効になってきます。(例えば、キロ3分30秒で15km走るよりも、キロ3分で1000mを10本実施した方が良い。)
距離走を否定しているわけではなく、どちらを選ぶかと問われればミドルインターバルを選ぶ、ということです。もし距離走で解決することを狙うのであれば、終盤にペースアップをして、レースペースまたはそれ以上に上げる区間を作ります。
□ ポイントトレーニングの間の日は脚休め
競技を始めてから日が浅いのであれば、ポイントトレーニングの強度を下げて、ポイントトレーニングの間の日に長くジョギングということは有効です。
しかし、あと少しで14分台まで来ているほどの走力であれば、長いジョギングを組み込む意味を見い出すことは難しいです。
ポイントトレーニングの間の日に、長いジョギングを行うと、当然ながら疲れます。その疲労を持ち越してポイントトレーニングを行うと、頑張ったという精神的満足度は得られるかもしれませんが、ポイントトレーニングの質は低下します。
一日でも数時間でも早く、回復を図り、スピード主体のトレーニングを高い質で行いたい。そのため、ジョギングは90分以内に抑えたいところです。
□ 技術を向上させる
記録=心×技術×体力
5000mが15分前半まで来ているのであれば、"体力"の伸び代は当然ながら、20分の選手よりも小さいです。
技術は、レース戦略や調整など幅広いですが、まずはランニングフォームの技術を見直し、向上させるのが良いと考えています。
「良いランニングフォームとは何か?」
「それを実現するには何を行えば良いか?」
良いランニングフォームとは、少ないエネルギーで体を前に運べるフォームです。使った力が前方への推進力に効率的に変換されている状態です。
見た目が良いとか、怪我をしにくいとか、リズムがとりやすいではありません。それぞれ良いに越したことはありませんが、最も重要なことは、前に進むことです。
出来る限り、エネルギーを上方に使いたくありません。上下動を抑えたい。
上下動が大きいということは、上方に体を押し上げることにエネルギーを使っています。そして、上方に押し上げられた体は、重力によって落下してきます。高いところから落下してきた物体を支えるには、それだけ大きな力が必要です。高いところから落下してきた体を着地時にエネルギーを使って受け止める。
上下動が大きいと、上方にもエネルギーを使い、着地時に体を受け止めるときにもエネルギーを使います。
そうならないように、ランニングフォームを改善します。
同一のピッチ、ストライド、スピードでも上下動はひとそれぞれです。そこにランニングフォームの技術の差があります。
(ここで誤った認識が生じやすい。同一のピッチ、ストライド、スピードで比較しなければ意味がありません。)
ここは、練習会で繰り返し行っている腕振りと体の傾きの2つに集約されます。これを行えば、接地時間は"長く"なり、上下動が抑えられるランニングフォームに変わってきます。
(脚のつき方であるフォアやミドル、ヒールによる接地時間の変動ではありません。)
□ ひとつでも良い選択肢を
回復への取り組み、ポイントトレーニングの分析など他にも走力向上のために行うことは多々ありますが、5000m14分台をキーワードに考えると上記は必要です。
理由を考え、ひとつでも良い選択肢を選ぶということを継続していくことが記録の向上に繋がります。私も良い選択肢を選び続けたいと思います。
(参考)トレーニングメニュー実績
8/14 1000m*3(2.47.6-2.46.1-2.43.2)
8/20 2000m(5.53.9)+300m(45.9)
8/23 1000m*2(2.48-2.46)+800m(2.12)+ 600m(1.37)+400m*4(1.01.8-1.02. 2-1.01.5-1.02.9)
8/26 400m*14 avg1.04.5
8/30 1500mT.T(4.03.2)
9/01 1000m*8 avg2.58.2
9/02 1000m*8 avg2.57.4
9/06 2km(5.39)
9/08 GUIDE3km(9.11) GUIDE500m(1.29)+GUIDE400m*2( 68-67)+300m(44.6)
9/09 400m*10 avg1.03.3
9/13 3km(8.39.4)
9/15 GUIDE3000m(9.20)
9/17 1200m(3.35)+5000m(15.04)
9/21 1km*2(2.56-3.05)
9/23 5000m(14.47.77)
10/2 2km(5.40)
10/04 GUIDE600m*6(1.54-->1.47) ,1000m(2.38)
10/07 GUIDE400m*3(68.70.68), GUIDE300m*2(50,50),400m*2(59. 6,59.2)
10/09 1000m(2.45)
10/11 GUIDE1500M(4.22)
10/11 GUIDE1500M(4.22)
10/12 GUIDE5000m(16.18)+3000m(9.08)
10/13 170m*22
10/13 170m*22
10/18 2km(5.50)
10/21 5000m(14.38.01)